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大槌と鮭の文化|新巻鮭・大槌サーモン・いくらはどうつながる?

8 時間前
読了時間: 4分

大槌と鮭の関係を調べると、「新巻鮭」「秋サケ」「大槌サーモン」「いくら」など、似ているようで違う言葉が並びます。これらを全部「大槌のサーモン」と一つにまとめると、歴史が分かりにくくなります。

大槌には、シロザケを塩蔵して寒風干しにする新巻鮭の伝統があり、現代にはギンザケやトラウトサーモンを海面養殖する「岩手大槌サーモン」があります。つながっているのは「鮭とともにある町」という大きな文脈ですが、魚種も、生産方法も、成立した時代も同じではありません。


岩手県大槌町の風景


大槌と鮭の関係は、400年以上前の新巻鮭から続いている?


大槌町は「南部鼻曲がり鮭の新巻鮭」について、400年以上前の安土桃山時代に大槌で生まれたと伝えられている食文化として紹介しています。2023年には文化庁の「100年フード」に認定されました。

新巻鮭は、鮭を塩蔵したあと寒風で干してつくる加工品です。冷蔵・冷凍設備が現在ほど発達していなかった時代に、鮭を保存し、遠くへ届けるための知恵でもありました。大槌町では、小学校で新巻鮭づくりの体験学習も行われ、食べ物としてだけではなく地域文化として継承されています。


河合商店の新巻鮭



新巻鮭の鮭と「大槌サーモン」は同じ魚?


同じではありません。ここが、大槌の鮭を理解するときに一番混同しやすいところです。伝統的な秋サケ・新巻鮭は主にシロザケの文脈ですが、岩手大槌サーモンは「ギンザケ」と「トラウトサーモン」を含む地域ブランドとして始まりました。

大槌町の記録では、2020年6月にギンザケとトラウトサーモンの初出荷に伴う報告会が行われています。つまり、400年以上前から続く新巻鮭文化と、現代の海面養殖サーモンは、同じ一本の生産方法が続いてきたわけではありません。

古くからの鮭文化がある町で、現代の水産業として新しいサーモン養殖が始まった。そう整理すると、伝統と新産業の両方が見えます。


岩手大槌サーモン



はらこ飯やいくらは、大槌発祥の食文化?


ここも分けて考えた方が分かりやすいです。鮭といくらを一緒に食べる「はらこ飯」は、大槌発祥の料理として扱うのではなく、宮城県亘理地域に伝わる郷土料理として知られています。

一方で、鮭の身と卵を一緒に味わう食文化は、鮭を丸ごと利用する視点を理解するうえで隣接するテーマです。大槌の鮭文化を調べるときに、すべてを「大槌発祥」にまとめる必要はありません。地域ごとの由来を分けた方が、三陸・東北の食文化そのものが立体的に見えてきます。


大槌の鮭文化は「昔の伝統」と「今の産業」を分けると分かりやすい


大槌と鮭の関係は、一つの言葉で説明するより、三つに分けると整理しやすくなります。


1.伝統的な食文化


秋サケを塩蔵し、寒風で干して保存する新巻鮭。大槌に伝わる歴史と、地域で受け継ぐ文化の層です。


2.鮭を食べる文化


焼き鮭、いくら、鮭と魚卵を組み合わせる料理など、鮭を食卓でどう味わうかという層です。地域ごとの由来は分けて考えます。


3.現代の海面養殖


ギンザケやトラウトサーモンを育てる岩手大槌サーモン。伝統的な秋サケ漁や新巻鮭とは別の生産の仕組みです。

この三つを分けたうえでつなぐと、「大槌は昔から鮭の町だった。だから今の養殖サーモンも全部同じ」という単純な説明ではなく、時代ごとに鮭との関係をつくり直してきた町として理解できます。


河合商店の商品で、大槌の鮭を味わう


河合商店では、大槌サーモンの甘塩、塩麹、粕漬、西京味噌、バター焼きなどを組み合わせた詰め合わせを扱っています。新巻鮭も商品として扱いますが、販売時期や販売状況は商品ページでご確認ください。



よくある質問


新巻鮭と大槌サーモンは同じ魚?


同じではありません。新巻鮭は伝統的に秋サケを塩蔵・乾燥させる加工文化の文脈で語られ、大槌サーモンはギンザケやトラウトサーモンを含む現代の養殖ブランドです。


大槌サーモンは昔から養殖されていた?


大槌町の記録では、岩手大槌サーモンのギンザケ・トラウトサーモンが初出荷されたのは2020年です。新巻鮭の伝承とは成立時期が大きく異なります。


はらこ飯は大槌の郷土料理?


大槌発祥として扱うのではなく、宮城県亘理地域に伝わる郷土料理として区別するのが適切です。


参考・出典


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