
三陸の海の幸とは?魚・貝・海藻・ウニを「獲る・育てる」から整理
更新日:9月20日
三陸の海の幸には、ウニ、毛ガニ、牡蠣、ホタテ、わかめ、めかぶ、サバ、鮭、いくらなど、さまざまな魚介や海藻があります。面白いのは、どれも同じように獲れるわけではなく、魚は回遊し、貝や海藻には養殖があり、ウニやアワビは磯の資源として利用されていることです。
魚は海を回遊して沿岸へ来るものがあり、ワカメやホタテは海で育てる養殖があり、ウニやアワビは磯の資源を利用します。同じ「三陸の海の幸」でも、海との関わり方、旬の考え方、加工や保存方法はそれぞれ違います。
このページでは、岩手三陸を中心に、三陸の海、漁業、魚、貝、海藻、磯の生き物、鮭文化までを一つの地図として整理します。気になる魚介が見つかったら、各専門記事でさらに詳しく読めるようにつないでいます。

三陸の海の幸とは?
「三陸」は一つの市町村や県を指す行政区域ではなく、太平洋側に広がる地域呼称です。河合商店は岩手県大槌町にあるため、このページでは主に岩手三陸の海産物と漁業を中心に扱います。
三陸の海の幸には、天然の魚介だけでなく、ワカメ、カキ、ホタテなどの養殖水産物も含まれます。さらに、同じ魚介でも、生鮮、塩蔵、冷凍、干物、漬け魚など商品になるまでの工程が違います。
魚種や漁法、養殖、加工の違いまで見ると、同じ三陸の海産物でも、それぞれの特徴がもっと見えやすくなります。
なぜ三陸には、いろいろな魚が来る?
三陸の海は、単純に「親潮と黒潮がぶつかる場所」とだけ説明できる海ではありません。岩手沿岸には、親潮水や沿岸親潮水、黒潮系の暖水、津軽海峡から流れ込む津軽暖流水など、性質の違う水が関係しています。
気象庁は親潮を、低温・低塩分で、溶存酸素や栄養塩に富む水として説明しています。一方、暖かい水の位置や強さも季節や年によって変わります。こうした水塊の動きに加えて、魚それぞれの回遊や生活史が重なり、三陸沿岸で見られる魚の顔ぶれが変わります。
三陸の海産物は、どうやってとる・育てる?
岩手沿岸では、ワカメ・コンブ・カキ・ホタテなどの養殖、サケやサバなどを対象とする定置網、アワビ・ウニなどの採介藻漁業が行われています。
大きく見ると、「沿岸へ来る魚を利用する」「海で育てる」「磯の資源を利用する」という違いがあります。天然か養殖かだけで二分するより、この違いを見ると三陸の漁業が分かりやすくなります。
魚|サバなど、海を移動する魚
三陸沿岸では、その季節に沿岸へ来る魚を定置網などで利用します。サバのような回遊魚は、毎年まったく同じ場所・時期に同じ量がとれるわけではありません。海況や資源状態によって水揚げも変わります。
「旬」も一つではありません。たくさんとれる時期、脂がのる時期、漁が行われる時期など、何を基準にするかで意味が変わります。

貝|牡蠣・ホタテは養殖も重要
三陸の牡蠣やホタテでは養殖も大きな役割を担っています。種苗を確保し、海へ設置し、成長や海の状態を見ながら育て、収穫するまでにいくつもの工程があります。
牡蠣では「生食用」と「加熱用」を単純な鮮度の違いとして考えないこと、ホタテでは殻付き商品なら届いたあとの保存や開け方まで考えることが大切です。

海藻|わかめとめかぶは、同じ海藻の違う部分
三陸の海藻を代表するものの一つがワカメです。普段「わかめ」として食べる葉の部分と、根元近くにできるめかぶは、別の海藻ではありません。めかぶは胞子を放出する成実葉で、養殖では次の世代を育てる工程にも関わります。
また、塩蔵わかめは生わかめに塩を付けただけではなく、代表的な加工では湯通し、冷却、塩漬け、芯抜き、脱水などを経て商品になります。

磯の海の幸|ウニ・アワビは「天然なら人が何もしない」ではない
ウニやアワビは磯の資源を利用する海産物です。天然の生き物を利用する場合でも、資源管理や種苗放流、漁場づくりなど人の仕事があります。
特にウニは、数が多ければ多いほど良いわけではありません。海藻とのバランスが崩れると餌不足や磯焼けなどの問題につながるため、海藻と磯根資源を一緒に見る必要があります。
鮭|昔からの秋サケ文化と、現代の大槌サーモンは分けて考える
大槌には新巻鮭に代表される秋サケの食文化があります。一方、現在の岩手大槌サーモンは、ギンザケやトラウトサーモンを含む現代の海面養殖ブランドです。
どちらも鮭・サーモンですが、魚種、生産方法、成立した時代が同じではありません。伝統的な食文化と現代の養殖を分けてからつなぐと、大槌と鮭の関係が見えやすくなります。
三陸の海は、いまも変化している
三陸は昔から変化のある海ですが、近年は高水温の影響が水産業の大きな課題になっています。岩手県は、県海域で2012年以降に水温の上昇傾向が続き、2024年には記録的な高水温となったとして、サケ・サンマ・スルメイカなどの水揚量や、ホタテ養殖、磯根資源などへの影響を整理しています。
だから、三陸の海の幸を「昔からずっと同じ魚が、同じ旬にとれる場所」と考えるのではなく、変化する海と向き合いながら漁業や養殖を続けている地域として見ることも大切です。
河合商店がある大槌町から三陸を見る
河合商店は岩手県大槌町にある鮮魚店です。大槌は海だけでなく、大槌川・小鎚川、町中の湧水、自噴井、背後の山地が近い範囲にある町です。
ただし、「山や湧水があるから海産物がおいしい」と因果関係を飛躍させることはしません。町の地形や水循環と、個別の魚介の味・品質は別の根拠で考える必要があります。
三陸の海産物を選ぶときに見ること
三陸の海産物を選ぶときは、魚種や産地に加えて、養殖か天然か、冷蔵・冷凍、生食用か加熱用かまで見ると、食べ方に合った商品を選びやすくなります。
また、旬という言葉も、漁獲量が多い時期、食味が良い時期、販売時期など意味が違います。通販では、冷蔵・冷凍、発送時期、解凍方法なども含めて見ると、届いたあとまで失敗しにくくなります。
河合商店では、三陸の魚介や海藻、大槌サーモン、自家製加工品などを扱っています。現在の販売状況や産地、内容量は、それぞれの商品ページでご案内しています。
よくある質問
三陸産の海産物は、全部天然?
天然の魚介だけではありません。ワカメ、牡蠣、ホタテ、サーモンなど、三陸では養殖も重要な水産物です。
三陸産と岩手県産は同じ意味?
同じではありません。三陸は広域の地域呼称で、岩手県だけを指す言葉ではありません。このページでは河合商店の所在地に合わせ、主に岩手三陸を中心に説明しています。
三陸の海の幸は、いつが一番おいしい?
魚種や海藻によって違います。また「旬」が漁獲の多い時期を指すのか、食味の良い時期を指すのかでも変わります。一つの季節を三陸全体の旬として決めることはできません。
この記事を書いている河合商店について
この記事の執筆・編集責任は、岩手県大槌町の有限会社河合商店です。店舗やこれまでの歩み、代表・河合秀保については、「河合商店について」でご紹介しています。























コメント