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三陸の漁業とは?定置網・養殖・磯漁で「獲る・育てる・守る」を分けて解説

8 時間前
読了時間: 4分

三陸の漁業というと、「船で沖へ出て魚を獲る仕事」を思い浮かべやすいかもしれません。でも、実際はそれだけではありません。岩手沿岸では、回遊してくる魚を待つ定置網、海で育てる養殖、磯のウニやアワビを利用する採介藻漁業など、性質の違う漁業が同じ沿岸で行われています。

つまり「三陸の魚介」と一つにまとめても、海との関わり方は商品ごとに違います。サバとワカメとウニでは、獲り方も育て方も資源管理も同じではありません。ここを分けると、三陸の海産物がずっと分かりやすくなります。


三陸沿岸をイメージする漁港と漁船


三陸の漁業は、どんな種類に分けると分かりやすい?


岩手県の宮古水産振興センターは、管内の漁業として、ワカメ・コンブ・カキ・ホタテなどの養殖、サケやサバなどを対象とした定置網、アワビ・ウニの採介藻漁業などを紹介しています。

細かな分類を覚えるより、まず「来る魚を獲る」「海で育てる」「磯の資源を利用する」の三つで見ると、三陸の漁業の違いが分かりやすくなります。


定置網は、魚を追いかける漁なの?


定置網は、決められた場所に大きな網を設置し、沿岸へ来遊する魚が網へ入る仕組みを利用する漁法です。船で魚群をどこまでも追いかける漁とは考え方が違います。

岩手県水産技術センターの沿岸漁業資料では、地域の定置網で春のマス類、夏のサバ・イワシなど、秋のシロザケなど、季節によって異なる魚が利用される例が紹介されています。大事なのは、定置網が特定の一魚種だけを狙う仕組みではなく、その時期に沿岸へ来る魚との関係が大きいことです。


水産業の現場をイメージする鮮魚市場


ワカメやホタテは「獲る」のではなく育てる?


ワカメ、コンブ、カキ、ホタテなどでは養殖が重要です。養殖といっても、海へ入れて待つだけではありません。種苗を確保・育成し、ロープや施設へ移し、生育状況や海況を見ながら管理して収穫します。

たとえば岩手の養殖ワカメは、夏に採苗し、秋まで種苗を育て、沖合の養殖ロープへ巻き付けて本養成し、冬から春に大きく育ったものを収穫する流れが紹介されています。海の中で育つ時間の前後に、人の作業が何段階もあります。


ウニやアワビは、天然なら人が何もしない?


天然資源を利用する漁業でも、人が何も関わらないわけではありません。岩手ではアワビの種苗生産や放流、ウニの資源管理、漁場づくりなどが行われています。

ウニは増えすぎると海藻を食べる量も増え、餌不足で身入りが悪くなることがあります。そのため、ウニの数だけでなく、海藻とのバランスを見ることも資源管理の一部です。

「天然=人の手が入っていない」「養殖=人工的」という二択にすると、実際の漁業が見えにくくなります。天然資源にも放流や漁獲管理があり、養殖にも海の環境が大きく関わっています。


同じ三陸産でも、海との関係は商品ごとに違う


天然魚は回遊や漁場、定置網との関係があり、ワカメやホタテには養殖の工程があり、ウニやアワビには磯の環境と資源管理があります。三陸産という同じ地域名でも、海との関わり方はそれぞれ違います。

こうして見ていくと、三陸の海産物がどのように獲られ、育てられ、守られているのかが具体的に見えてきます。



よくある質問


定置網は、魚を追いかけて獲る漁法?


定置網は決まった海域に網を設け、沿岸へ来遊する魚が入る仕組みを利用する漁法です。魚群を船で追い続ける漁法とは異なります。


養殖なら海の状態は関係ない?


関係あります。養殖でも、水温、流れ、栄養環境、付着生物など海の状態に影響を受けます。人が育てる漁業でも、自然の海と切り離されているわけではありません。


天然のウニやアワビは、人が増やしたり管理したりしない?


種苗放流や漁獲サイズの管理、漁場づくりなど、人が資源を守りながら利用する取組があります。


この記事を書いている河合商店について


この記事の執筆・編集責任は、岩手県大槌町の有限会社河合商店です。店舗やこれまでの歩み、代表・河合秀保については、「河合商店について」でご紹介しています。


参考・出典


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