焼き魚がパサパサになるのは「焼きすぎ」だけ?干物・塩魚・漬け魚で原因を分けて考える
更新日:9月20日
「焼き魚がパサパサした=焼きすぎた」と考えがちですが、原因はそれだけではありません。焼く前から水分を失っていたのか、加熱で身が締まったのか、そもそも干物のように水分を減らした加工品なのかで、同じ“パサパサ”でも中身が違います。
焼き魚の失敗を減らすには、①加熱で硬くなった、②冷凍・解凍で水分が抜けた、③加工品なのに生魚と同じ焼き方をした、の3つに分けて考える方が分かりやすいです。

魚は加熱すると、なぜ硬くなる?
魚肉は加熱によってタンパク質の状態が変わり、筋繊維が収縮します。アジ肉を温度別に加熱した研究では、40〜50℃で筋繊維の収縮が始まり、60℃以降は硬さが増していく傾向が報告されています。
別の焼き魚研究でも、長く加熱して魚汁が抜けると魚肉が硬くなり、官能評価では焼き上がり重量が比較的多く、収縮が小さく、柔らかい魚が良好とされています。
ここから分かるのは、「火が通る」ことと「長く焼く」ことは同じではないということです。安全に必要な加熱は行いながら、中心まで火が通った後も必要以上に水分を飛ばし続けないことが重要です。
同じ時間焼いても、魚によって仕上がりが違う理由
魚種や切り身の厚さ、脂質、水分、塩分、加工状態が違うためです。研究レビューでも、魚の調理条件は魚種や調理法ごとに最適化する必要があるとされています。
つまり「中火で8分」のような数字だけを別の魚へ横展開するのは危険です。厚いサーモンと薄い干物、塩魚と味噌漬けでは、表面が色づく速度も中心まで熱が届く時間も違います。

原因1:焼く前から水分が少なくなっている
農林水産省は、家庭で冷凍した魚介類について、長く保存すると冷凍焼けしてパサパサしやすくなると説明しています。焼き方を変えても、焼く前から乾燥が進んでいれば、仕上がりに影響します。
家庭で冷凍した魚と、市販・通販の冷凍商品では、包装や凍結方法が違います。家庭冷凍の目安は自宅で保存するときの参考にし、購入した冷凍魚は商品ごとの保存方法で扱います。
原因2:加熱後も火を入れ続けている
魚肉は温度が上がるにつれて硬さが変化します。中心まで必要な加熱をした後も強い火で長く焼き続ければ、外側はさらに水分を失いやすくなります。
厚生労働省が家庭での食中毒予防として示す加熱の目安は、加熱が必要な食品で中心部75℃・1分以上です。これは安全側の目安であり、「その後さらに何分も焼けばおいしくなる」という意味ではありません。
原因3:干物・塩魚・漬け魚を同じ焼き方にしている
ここが家庭調理で見落とされやすいところです。干物はもともと水分を減らす加工です。塩魚は塩分によって魚肉の水分保持に影響が出ます。味噌・酒粕・塩麹などの漬け魚は、表面の調味料が先に焦げやすくなります。
低濃度の塩漬けが魚肉の保水性を高め、加熱時の硬化を抑える方向に働いた研究もあります。塩魚でも、塩分濃度や加工方法によって焼き上がりは変わります。
河合商店の商品で考えると、焼き方を分ける理由が見える
赤魚の干物
干物は、生魚をそのまま焼く料理とはスタート地点が違います。すでに乾燥工程を経ているため、「生魚のような水分量まで残す」のではなく、干物らしい身の締まりと香ばしさを残しながら、焼きすぎないことを考えます。
黄金塩サバ
河合商店の黄金塩サバは塩味を付けた加工品です。追加の塩を前提にせず、商品そのものの味付けと身の状態を見て焼きます。
大槌サーモンの塩麹・粕漬・西京味噌
漬け魚は表面の麹・粕・味噌が焦げやすいため、強火で表面を焼き続けるより、余分な漬け床を軽く取り、焦げを抑えながら中心へ火を入れる考え方になります。

「パサパサした」ときは、次の順番で原因を探す
パサついたときは、まず魚の種類と加工状態を見ます。次に、解凍時にドリップが多く出ていなかったか、表面が乾燥していなかったかを思い出し、最後に焼き時間と火力を振り返ると原因を探しやすくなります。
焼き時間だけでなく、焼く前の魚の状態や、干物・塩魚・漬け魚といった加工の違いまで見ると、次はどう焼けばいいか分かりやすくなります。
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この記事を書いている河合商店について
この記事の執筆・編集責任は、岩手県大槌町の有限会社河合商店です。店舗やこれまでの歩み、代表・河合秀保については、「河合商店について」でご紹介しています。





































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